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転用とは、フレッツ光で利用中の光ファイバー回線を、光コラボに契約を変更した後もそのままの状態で継続利用する手続きの事だ。
光コラボでは各社プロバイダがフレッツ光回線をレンタルして利用者に独自回線としてサービスを提供しているが、実際には光ファイバー回線部分はフレッツ光と同じものだ。
なので、現在フレッツ光を利用中の人が、光コラボへ移行希望する場合、光回線部分は利用したままで契約先だけをフレッツ光から光コラボ事業者へ変更することができるのが転用手続きだ。
転用の特徴
1.工事が不要
転用手続きでは今利用中の光ファイバーをそのまま使う。電柱から部屋の中まで引きこんだ光ファイバーや、宅内機器などがそのまま利用継続でき、引き込み工事の必要がない。
2.ひかり電話の電話番号がそのまま利用できる
ひかり電話を利用中の場合、電話番号も含めて利用したまま、契約名義だけがフレッツ光からコラボ光事業者へ変更できる。電話番号については、NTT固定電話の電話番号を番号ポータビリティで使っている場合、ひかり電話利用開始時に新規で発行した電話番号、いずれの場合でも電話番号がそのまま利用継続できる。
3.転用は一度きりの手続き
転用は片道方向のみの手続き転用はフレッツ光から光コラボへ変更する場合に限った優遇の手続きなので、片道方向だけの手続きとなる。例えば、光コラボで使っている光回線をフレッツ光へ”転用”することはできない。
光コラボへ転用する前の注意点
光コラボへ転用した後に、こんなはずではなかったと後悔しなくて済むように、フレッツ光と光コラボの違いをしっかりと把握した上で転用するかどうか考えよう。
1.光コラボの方が安い
フレッツ光から光コラボへの転用すると、契約面ではフレッツ光とプロバイダの2契約だったものから、光回線もプロバイダサービスも共通の1契約となるので、利用料金が安くなる場合が多い。
また、スマホとのセット割を適用できる場合が多いため、契約先によってはさらに料金は安くなる。
2.光コラボは光回線を残してプロバイダ部分だけの変更はできない
光コラボでは、例えばプロバイダサービスの影響で回線速度が遅いなどの理由でプロバイダだけを変更したくなる場合があるかもしれない。
しかし光コラボでは、プロバイダだけの変更はできず、回線ごと変更する必要がある。
フレッツ光であれは、光回線とプロバイダサービスが別々の契約なため、プロバイダ契約だけを変更でき、光回線やひかり電話のサービスはそのまま利用し続ける事ができた。
それが、光コラボの場合は光回線とプロバイダサービスの契約が一体であるため、ある光コラボから別の光コラボへプロバイダの変更しようとすると、全体の契約し直しとなるのだ。
その結果、光回線の引き込み工事のやり直しが発生し、また、ひかり電話も別の光コラボ事業者での新規契約となるので、新たな電話番号の新規発行、もしくはNTT電話番号の番号ポータビリティのやり直しが必要となる。
3.電話番号の移行手続きや継続利用については要注意
光コラボではプロバイダだけの変更はできないので、どうしても変更する場合は別の光コラボへ契約しなおすことになるが、その場合に注意したいのが、ひかり電話の電話番号が継続利用できるかどうかという点だ。
結論から言うと、一般に、NTT固定電話で発行された電話番号を番号ポータビリティしてひかり電話で使っていた場合は、別の光コラボのひかり電話でも利用可能だ。しかし、ひかり電話利用開始時に新規発行された電話番号の場合は別の光コラボでは使えないので、別の電話番号を新規発行する事になる。
そんな中でも、転用に限っては特別にどちらの種類の電話番号も継続利用できる。
順を追って説明していこう。
はじめてひかり電話を使うときの電話番号
- 番号ポータビリティ
NTT固定電話の電話番号
→ ひかり電話へ移行して使う - ひかり電話発行番号
ひかり電話の回線事業者で新規発行した電話番号
→ そのまま使う
このルールは総務省で決まっているものなので、フレッツ光でも光コラボでも、さらにはauひかりなどのそれ以外のひかり電話でも扱いは全く同じだ。
利用中のひかり電話を別のひかり電話へ変更するときの電話番号
- 番号ポータビリティ(別の番号ポータビリティへ変更)
ひかり電話へ番号ポータビリティで利用中の電話番号
→ 一旦NTT固定回線へ電話番号を戻す
→ ふたたびひかり電話へ番号ポータビリティして使う - ひかり電話発行番号(=変更できない)
ひかり電話の回線事業者で新規発行した電話番号
→ 別の回線事業者では使えない
→ 新しい事業者で別の電話番号を新規発行して使う
ひかり電話で回線会社を変更するときには、利用中の電話番号がNTT固定電話で発行された電話番号であればどんな事業者間であっても手続きをふむことで継続利用が可能だが、ひかり電話事業者で新規発行された電話番号はその事業者でなければ使えない。
フレッツ光から光コラボへの転用のときだけはすべてそのまま
- 番号ポータビリティ
フレッツ光から光コラボの転用では手続き不要
→ そのまま使う - ひかり電話発行番号
フレッツ光から光コラボの転用では手続き不要
→ そのまま使う
転用手続きの場合だけは特別で、このように手続きすら不要でそのまま継続利用できる。
いわば、旧サービス(フレッツ光)から新サービス(光コラボ)への誘導施策で特別扱いの手続きができるのが転用手続きということだ。
転用は特別なだけだという事を認識しておく
こうして考えてみると、光コラボだけが電話番号が使いにくいといった事はない。
しかし光コラボへ転用した後にこんなはずではなかったという声が発生する理由は、転用手続きが特別な手続きだという認識がないまま行ってしまい、後戻りできなくなってしまうところにある。
後戻りしたくなる状況としては、多くの場合プロバイダの変更だろう。光コラボへ変更して回線速度が遅くなった場合、一番検討が必要なのがプロバイダサービスの変更だからだ。
しかし光コラボではプロバイダサービスは自社独自のサービスとなるのでプロバイダ変更とはすなわち光コラボ事業者の変更となってしまう。するとたちまちひかり電話の電話番号引き継ぎ手続きが必要となるし、特にひかり電話発行番号の場合は引継ぎそのものができなくなってしまっている。
つまり、ひかり電話発行の電話番号が引き継げる唯一の手続きで変更した先の事業者はプロバイダ変更ができない世界だったという状況が発生することになる。
転用は特別な手続きなのでそれに惑わされずに、光コラボサービスそのものがどういった内容の契約なのかを把握しておくことが大事だ。
転用するかどうかの判断基準
速度が遅い時はプロバイダだけ変えたくなるならフレッツ光の方が便利
速度が遅い時その原因はプロバイダの性能である事がある。光回線部分はフレッツ光ということで共通の条件なので速度差の原因とは考えにくいことによる。
もしプロバイダ部分だけを変えて試してみようとするのなら、フレッツ光ならプロバイダ部分だけを契約変更できるので、フレッツ光のままにしておく事をお勧めする。
光コラボの場合は、光回線も一緒に契約し直しとなり、工事や電話番号移行手続きが必要となってくる。
プロバイダを変える予定がないなら光コラボの方が安い
プロバイダを変える予定がないなら光コラボの方が安い。
ドコモ光ならドコモのスマホとセット割が使えてさらにプロバイダも外部のものを自由に選べる
ドコモ光とは、ドコモがやっている光コラボサービスだ。
ドコモのスマホとセット割が使えるのが特徴だ。
ドコモ光が他の光コラボと違うのは、プロバイダが自由に選べる点だ。
他の光コラボが独自のプロバイダサービスとフレッツ光を合わせて一体型サービスにしているのに対して、
ドコモ光は、フレッツ光を仕入れてそれをそのまま転売のように回線サービスだけを提供しているのだ。
なんだか無意味な事のように思えるが、メリットは2つある。
1つ目は、フレッツ光ではなかったドコモスマホとのセット割が使える点だ。
2つ目は、プロバイダを自由に選べる点だ。光コラボの弱点だったプロバイダ変更不可である部分をクリアしている点は大きく、ニーズは少なからずあるだろう。
自身のスマホがドコモの人は一度検討してみてもいい。